「山城ハイキング出かけませんか?」 報告と感想

SMSCA登山普及委員会 山の日記念イベント「山城ハイキング出かけませんか?」 7月28日実施

報告 登山普及委員会 委員長  秋庭 栄
 登山普及委員会の山の日記念イベント「山城ハイキング」は総会の時には決まっていて、「危険な暑さ」になった今年の夏、募集しても参加してくれるかしら?と一抹の不安の中準備は始まりましたが、期日が近づくにつれ参加者がお仲間を誘ってくれたりして盛況の中無事終了いたしました。参加者の中には、鉢形城に造形深い方や、歴女(レキジョ)もおられ、またご自分の山岳会でも次回は企画したいという意見も聞かれました。「ボランティア案内人」を事前に依頼して城内を巡って丁寧な説明を受けたことが良かったと思われます。最後に、良い企画だった他にもたくさんある山城ハイキングを企画して欲しい、また参加したい、一般の人の参加がなかった、暑い時期を避ける(ガイドさんは冬の鉢形城がお薦めだそうです)、ガイドさんの説明があったのは良かった等の感想をいただきました。山城ハイキングはSMSCAとしては斬新な企画でしたが、たいへん好評でした。参加者に皆さまには「危険な暑さ」の中参加いただきありがとうございました。お疲れ様でした。
                        記
場所:寄居町
日時:2024年7月28日(日)

   8:30寄居駅前集合8:45出発・・9:00鉢形城笹曲輪・9:30ガイドさん合流、2班に分かれ城跡見学
   11:30休憩者舎(昼食)・・12:00~13:00鉢形城歴史館見学・・13:30寄居駅解散終了
参加者16人(スタッフ含む)  参加費:300円(資料代)

 感想 理事・熊谷山旅会  熊谷 季久氏
2024年7月28日 鉢形城の見学を行いました。
朝8:30に寄居駅前に集まったのは16人で、暑い中ですが、歩いて鉢形城に移動しました。
ここで2人の専門のガイドさんが来て、8名づつのグループに分かれて城を廻りました。
ガイドさんの説明により、歩きながら現場で城にまつわる歴史を沢山詳しく知る事が出来ました。
私はこの城を最初に築城した長尾景春と、この城を攻めた太田道灌のエピソードが興味深くて好きです。
室町時代の末に、関東全体の大戦乱となった享徳の乱は、古河公方(足利氏)と関東管領(上杉氏)の間で1455年から1483年まで約30年にもわたって繰り広げられました。その途中で上杉方の重臣の長尾景信が死去した時、その地位が、子の長尾景春でなく叔父に行ってしまうという事が起きます。この時、やはり上杉氏の重臣であった太田道灌は長尾景春が反乱しないように、彼や上杉氏に働きかけますが、太田道灌の努力はかなわず、ついに長尾景春は乱を起こしてしまいます(1476年)。そして上杉氏陣営の最大拠点である五十子(いかっこ)陣(現在の本庄市)を襲い壊滅させ、鉢形城を築城し勢力を拡大します。
この鉢形城の後世の重要性を見ると長尾景春の先見の明が分かります。太田道灌は体制を立て直し、かつての盟友だった長尾景春を攻めて見事に破ります。長尾景春は負けてもしぶとく逃げて再起します。長尾景春は戦国大名の先駆けともいわれるようです。
ガイドさんから、この時代の歴史の話をより詳しく知る事ができました。また、北条氏邦が城主の時代は、武田信玄が攻めても、上杉謙信が攻めても良く守りきりました。豊臣秀吉配下の前田利家、上杉景勝、真田昌幸らが5万もの兵で攻めた時はさすが降伏しますが部下を無駄死にさせず、1ケ月にわたって持ちこたえた点はやはり優れた名将だったのでしょう。その話も興味深く聞きました。
城には、堀や土塁、曲輪、馬出しが残されていて結構起伏があります。
皆さんとても暑い中ながら2時間程を歩き通したのには感心しました。ガイドさんの話は戦国時代に限らず、近代の田山花袋などや現在の話にも及びとても有益でした。歴史に興味が無い方にも楽しめるようにしているとの事でした。
最後に資料館を見学しました。冷房が効いているのがとてもありがたかったです。ここには城の模型があり、TVガイドが模型と連動してわかりやすくなっています。また先進のバーチャル・リアリティのゴーグルもあって、360度の城の復元景色も楽しめました。
最後は寄居駅前に13:30頃に戻って、皆さんお疲れさまという事で無事終了しました。企画された方、とてもありがとうございました。